おじさんは予防線にはなりません
「……大河」

こんなのは、自分からねだっているようで顔をあげられない。

「……うん」

そっと、大河の手が私の頬にふれ、上を向かせる。
問いかけるように見つめる茶色い瞳に、いいんだと目を閉じた。

重なった唇に大河を迎え入れる。

嫌悪感とまではいかないが、気持ちよくはない。
キスしながらゆっくりと、布団へと押し倒された。

「詩乃。
……愛してる」

耳元で囁かれ、落とされた唇にぶるりと身体が震える。
首筋を這う唇にゾクゾクと寒気が背筋を襲ってくる。

……我慢、しなきゃ。
だって私は大河が好きで。
だから今日は大河と結ばれて。
それで池松さんを忘れて大河と幸せに……。

「詩乃?」

急にぴたりと動きを止め、心配そうに大河は私に呼びかけた。
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