おじさんは予防線にはなりません
「とにかく。
今月いっぱいで辞めますので、よろしくお願いします」

「……はぁーっ」

返事の代わりにため息が返ってきたけれど、無視して自分の席に戻った。


休み時間を利用して派遣会社の担当、早津さんへも連絡を入れる。

『なにかあったんですか!?』

早津さんは慌てているけれど、まあそうなるだろう。
それでなくても人が居つかない職場なんだから。

「なにもないです。
その、一身上の都合、で」

『もしかして、田舎に帰る……とか』

「あー、違います」

だったら、どんなにましだっただろう。
いや、それもひとつの手かもしれない。

『今日、終わってからとか会えませんか』
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