おじさんは予防線にはなりません
検査キットでは陽性が出ていたけれど、でもまだどこかで、なにかの間違いじゃないかって思っていた。

病院からの帰り道、ひたすらどうしたらいいのか考えた。

池松さんにこんなこと、言えない。
それに、いまの池松さんの気持ちがわかっていながら、なあなあで済ませていた自分も悪い。

「どうしよう……」

考えすぎて吐き気がしてくる。

堕ろしたくない。
池松さんの子供なら、産みたい。

でも、いまの池松さんに受け入れてもらえるかはわからない。

「話すしかないんだよね……」

軽率だった自分の行動を、呪った。


翌日、池松さんを喫茶店に呼びだした。

「どうした、改まって」
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