おじさんは予防線にはなりません
話なら家ですればいいのに、外に呼びだされて池松さんは怪訝そうだった。

「その、あの……」

妊娠したって言えばいいのはわかっている。
けれど言ったあとの池松さんが想像できなくて、なかなか言えない。

「えっと、その……」

「どうした?」

心配そうに眼鏡の下の眉が寄る。
言えば池松さんはどうするのだろう。

喜ぶ?
怒る?
悲しむ?

やっぱりどれも、想像できない。
でもいつまでも、黙っているわけにもいかない。

「……妊娠、しました」

「は?」

池松さんの目が、真円を描くほどまん丸く見開かれた。
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