おじさんは予防線にはなりません
「なんでもないですよ。
お店、まだ遠いんですか?」

笑って適当なことを言って誤魔化す。

「そこの角、曲がったとこ」

池松さんの指さす先には見逃してしまいそうな小さな路地があった。

前もそうだった。

よくこんな場所のお店、開拓したなって思うところに連れて行ってくれる。

「いらっしゃいませ」

「二名で」

たどり着いたお店はカフェというよりお花屋さんのようだった。
実際、お店の一部は花屋になっており、色とりどりのミニブーケを中心に花が並んでいる。

「な。
おじさんひとりじゃ入りづらいお店だったろ」

「……はい」
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