おじさんは予防線にはなりません
「ここに勤めてるんだから、それなりにセンス、ありますよね?
信用しています」

「ほんとにいいのか?」

いいもなにも言いだしたのは池松さんだし、私もその気になったんだからお任せしたい。

「はい。
よろしくお願いします」

「了解」

にかっと笑う池松さんの顔は眩しくて、多少センスが悪い服でもかまわないと思った。

「で、どんな服を探してるんだ?」

「会社に着てこられる服が欲しいんですが、その、……イメチェンしたいな、なんて」

「イメチェン、ね……」

そう言って池松さんは私のあたまのてっぺんからつま先まで見た。

「羽坂っていつも、シンプルで可愛いよな。
そのままでいいんじゃないか?」
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