おじさんは予防線にはなりません
「なに?
彼氏に選んでるの?」

棚を回って私の隣に立った宗正さんはすごーく近かった。
肩なんかふれてしまうほどに。

「ええ、まあ……」

適当に返事をして口を濁す。
いっておくが私には現在、彼氏なんて存在しない。

「ええーっ、羽坂ちゃん、彼氏いるのー!?」

へなへなとわざとらしく崩れられても困る。
それに、私に彼氏がいようといまいと、宗正さんには関係ないのでは?

「ショックー。
羽坂ちゃん、うちの鬼婆たちと違って、可愛いのに」

やっぱりいつも、にこにこ笑って返しているのは計算なんですね。
それにさっきから、羽坂ちゃんって馴れ馴れしすぎます。
肩に置いた手も離してほしいです。

「あの、宗正さんはなにか用事があってここにきたのでは?」
< 70 / 310 >

この作品をシェア

pagetop