おじさんは予防線にはなりません
ぽりぽりと照れくさそうに池松さんが頬を掻き、やっぱりこの人が好きだと思った。
けれど相手は既婚者で、この想いは秘めておかなければいけない。

「はい!
はい!
オレも、オレも応援するし!」

騒がしい宗正さんに池松さんと顔を見合わせて笑うしかなかった。



衣更えの時期も終わり、このあいだ池松さんに選んでもらったセットで出勤してみる。

「おっ。
それ、この前の服か」

「……はい」

すぐに気づいた池松さんがにやにや笑っている。

今日はオレンジのスカートのセットにしてみた。
派手かなとは思ったけれど、池松さんの言うとおり、上に羽織った黒のジャケットが落ち着かせてみせる。
< 93 / 310 >

この作品をシェア

pagetop