おじさんは予防線にはなりません
でも少しくらい宗正さんに迫られている私に不快になってくれると嬉しい、とか思うのは高望みなんだろうか。
せめて、デートを勧めるようなことはやめて欲しい。
それに宗正さんにかまわれるのはそれはそれで問題があるのだ。

「悪いんだけどぉ、これの値札はずし手伝ってくれなぁーい?」

隣のあいている机に持ってきたパッキンをドン!と置き、その不快なしゃべり方と同じ顔でにたりと布浦さんは笑った。

今日は経費の締めで事務作業が忙しい。
できれば、余分な仕事は断りたい。

「あの……」

「暇でしょぅ?
男に媚び売ってる時間があるくらいなんだからぁ。
あ、それ、今日中だからぁ。
よろしくぅー」

にやぁっといやらしい笑みを布浦さんが浮かべ、心の中でため息をついた。
置かれた箱の中を見るとブラウスやスカートなんかならまだしも、キャミソールがパンパンに詰まっている。

……子供みたい。
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