かわいい戦争
それに、気づいてしまったんだ。
須夜崎璃汰の特別なかわいさが、きっと本物の正義なんだって。
毎日こっそり憧れて、友達と他愛ないお喋りをして盛り上がって、おじいちゃんの作るラーメンをお父さんとお母さんと食べて……。
そんなどこにでもあるような日常が、愛しくてたまらなかった。
わたしは確かに幸せだった。
――しかし、日常はある日突然、変わる。
夏休みを間近に控えた、7月中旬。
定期テストの結果が全て返ってきた日の放課後。
中間より点数が全体的に上がっていて、テスト勉強を頑張った甲斐があった!やったー!
結果を早く家族に自慢したくて、帰路をたどる足が自然と速くなる。
昔はよく遊んでいた、すっかり寂れた小さな公園の前を通り過ぎようとしたとき。
『素野海鈴さん』
後ろから呼び留められた。
聞き覚えのある声。
まさかと思いつつ振り返れば、
『……す、やざき、さん?』
案の定、憧れの人がいた。
そういえば須夜崎さんが期末テストで学年1位だったんだよね。顔もよければ頭もよしって才色兼備すぎる。かわいくてかっこいい。
今絶対に関係のないことを考えないと、驚愕でどうにかなってしまいそうだった。それこそ失神してもおかしくないくらい。