かわいい戦争
驚くのも仕方ないじゃん。
初めて名前を呼んでもらえて。
向かい合って話して。
無垢な笑顔が印象的な彼女が、ひどく冷ややかな表情でわたしを射抜いてるんだから。
どうしてそんな表情でわたしを見るんだろう。
どうしてわたしのフルネームを知ってるんだろう。
……わたし、何かした?
嬉しさ2割、怖さ8割。
ほらやっぱりどうでもいいことで頭をいっぱいにしなきゃ、意識がどこかへ吹っ飛んでしまいそう。
『今ちょっといい?』
『あ、は、はい……』
無意識に頷いていた。
な、何なんだろう。
あっちからしたら初対面も同然なわたしに何の用だろう。
気まずい沈黙が流れた。
須夜崎さんはわたしを上から下までじっくり凝視すると、憎らしそうに目元をひくつかせる。
あ、今、わたしのこと
ブスって思った。
本能で察してしまって、身を縮めた。
やだ。ダメだって、わたし。
気にしない。しちゃいけない。
『……あ、えっと、あのわたし!実は須夜崎さんに憧れて……』
『黙って』
ブサイクでも……ううんブサイクだから、できるだけ愛嬌よくにこやかにして、空気を明るくしたかった。
初めて憧れの人と話してるんだもん。
嫌な思いしたくないじゃんか。