かわいい戦争
なのに、うまくいかない。
『笑わないで』
『……え、』
『あなたの笑顔、不快なの』
全然明るくならないし、もうなれない。
わたしの笑顔、そんなに変だったかな。
ブサイクだから見たくなかったのかも。
憧れの人にこう直接言われちゃうと……結構きついなぁ。
『……ご、ごめんなさい……』
なに謝ってるんだろう。
謝る必要ないのに、自然と口から出ていた。
笑ってごめんなさい、なんて悔しくて、辛いよ。
『あなた、あの秘密は知ってるの?』
『え?秘密?』
秘密って、何の?
首を傾げるわたしに、灰色の目が気だるく伏せられた。
『そう……やっぱり知らないのね』
笑うなってわかりやすく嫌悪されたばかりだけれど、憂鬱のままでいさせてもくれない。
次から次へと生まれる疑問が、辛い気持ちごとかき回していく。
『秘密を知らないから、あなたは仮初めの幸せに浸ってられるのよ』
仮初めの、幸せ……?
言葉の意味よりも先に、冷笑混じりの敵意を感じ取ってしまった。
痛い。
グサグサ、刺さる。
こういう敵意には免疫があるほうなんだけどな。
憧れの人からだからだろうか。
今までで一番痛い。