かわいい戦争
『知らないなら教えてあげるわ』
須夜崎さんはカバンから茶色い封筒を取り出した。
ぶっきらぼうに差し出された細長い長方形型のソレを、恐る恐る受け取る。
『これを見れば、今の幸せが仮初めだってわかるわ』
この中に秘密が……。
わたしの秘密をなぜ須夜崎さんが知っているのか。
またひとつわからないことが増えたものの、ゆっくり封を開けた。
封筒の中には、白い紙が2枚、別々に折りたたまれて入っていた。
手前の紙を取り、開いてみる。
《DNA親子鑑定書》
え。
何、これ。
これがわたしの秘密なら。
誰と誰の証明なの。
『それはあたしとあなたの父親が、血の繋がった親子である証明よ』
今、須夜崎さんは何て言ったの?
彼女とお父さんが、親子?
『う、嘘……』
『残念ながら本当なの。これがあなたの父親が隠してきた秘密よ』
『そ、そんな……っ』
『あいつ……あたしの母親がきっとあなたの父親の髪の毛か使用済みの物を運よく手に入れたのか、もしくは鑑定のために最初から用意していたのか、あたしが産まれてすぐに調べたんでしょうね』
信じられない。
信じたくない。
優しいお父さんが、まさか……。
『このことがバレないよう、あなたの父親はあなたに嘘をついてきた。あなたの幸せが仮初めである意味がわかったでしょう?』