かわいい戦争
『須夜崎さん』
わたしはしゃがんで、真正面の涙目に自分を映した。
『わたしは何をすればいいですか?どうしたらあなたのためになりますか?』
須夜崎さんの母親みたく謝ったり、自分の幸せを放り出したりしても、意味がない。
わたしと須夜崎さんのためにならないし、そもそも須夜崎さんだって望んでない。
笑ってほしくないなら学校では極力笑顔にならないよう控えるし、わたしの生活の中で何かひとつ譲ってほしいなら譲れるものは譲る。あ、でも、家族や友達は難しいから、代わりにわたしがなんか、こう……が、頑張るし!
須夜崎さんが本当にしてほしいことは、何?
どうしたら幸せ?
わたしに教えて?
『……あたしのものに、なって』
戸惑いながらも、ボソッと。
わたしを試すように呟かれた。
『何があっても裏切らない味方に……あたしの居場所に、なってよ』
『うん、いいよ』
あきらめにも似通った薄笑いが、すぐに消えた。
『……ど、して……』
『へ?何が?』
『あたし、あなたにひどいこと言ったのに……』
あ、ひどいこと言ってる自覚はあったんだ。
でも、もういいよ。
あの言葉の裏で須夜崎さんも傷ついてたでしょ?