キミに夢中な俺‼




「ローン」

  「杏奈何度いえばわかる?
   ローンなんて呼ぶなよ、
   短く論!
   はい、やり直し。」


「フウ~ンじゃあさ行かないんだね!!
 取れたんだけど、
 リオンのチケット!」


俺は食べてた弁当箱を
ひっくり返しそうな勢いで
飛び上がった。
 10月15日、

 俺の17歳の誕生日だった。


 彼女が居酒屋で
 バイトしたお金で取ったチケット
 なかなか人気のバンドで
 何度も外れていた。

 しかし、彼女の数打ちゃ当たるで
 何回もトライするが当たらず、
 諦めていた。
リオンは、ハ スキーな声で
メチャクチャカッコイい
 男のオレですら惚れまくるくらい
彼のステージは17歳の俺を
虜にしていた。

カラオケは必ずリオンの曲が
十八番に(オハコ)なっていた。 



杏奈は母子家庭で育ったのもあるが
料理も上手で弁当もよく作ってくれた。
自分の中でいつの間にか杏奈との
未来予想図が出来ていた
17歳のオレは杏奈とずっと生きて
行くと決まっていると
思っていた。



勉強して出世して不自由ない生活を
杏奈にさせてやる。

杏奈の母親にも親孝行する。
それが俺の夢であり目標となっていた。

17歳の誕生日、杏奈から最高のプレゼントをもらった。
勿論リオンのコンサートもだったが


その夜、俺と杏奈は一つになった。
俺は初めてだったが杏奈は違った。
少しショックだったが
杏奈オンリーの俺は直ぐ立ち直った。

こんな事気にしていたら人生歩めない。
杏奈は栗色の髪に日本美人、優しい
笑顔で虜になるのは俺だけじや
なかった。

何人か綺麗になる杏奈を狙っていた。
高3になり受験生となった俺たちは
人生の上り坂にいた。


勉強、勉強、勉強の日々

それにくわえ杏奈は専門学校を
選んで、自分の道を歩きだした。



月日も早足ですぎ、オレは東京の某
大学に受かった。

彼女とは遠距離になるが
杏奈と過ごした日々は
愛情を確実な物えと変えていった。


東京から岡山まで新幹線で三時間半
頑張れば月二、三回あえる。


杏奈も一回くらい東京にくれば
ほぼ毎週会える。
今までと変わりはない。

新幹線に感謝したものだ。

そんな遠距離恋愛も
一年が順調に過ぎた。



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