はちみつの景色
体育館の熱気は苦手だ。
「果乃、シュート!」
手から離れたボールは綺麗な弧を描いてリングに収まった。それと同時に試合も終了。
「ナイッシュー!」
「すごいじゃん!」
「パスがよかったから…」
「やっぱりバスケ部入らない?今からでも遅くないよー」
「それは無理だわ、こんな息切らしてるのに…」
そんなことないって!と笑うバスケ部のみんなだけど、私からすると、本当に奇跡のシュートで本物のまぐれ。
緊張と応援と自分の高まり、2年ぶりのバスケはちょっと楽しい。
あれ、なんで熱気が苦手だったのかな。あの時常に息苦しさを感じていた体育館。なんか今日は一味ちがう、そんな印象だ。