はちみつの景色


「千景〜!もう、めっちゃかっこよかった!」
「本当女子キャーキャー言ってたよ!」

教室に戻ると、既に千景君の周りに人が集結しているような感じ。

「ありがとう」
「そういえば、千景、途中いなかったのどこ行ってた?」
「あの時、お前いないからピンチ迎えてたんだぞ!」

「ごめんごめん。ずっと体育館にいたらしんどくなっちゃって。外の空気吸いに。」

「そうなんだ、言ってけよな〜」
「ごめんごめんっ」

千景くんたちの会話は聞こうとしなくても、もちろん聞こえてくる。

やっぱりわざわざ保健室に来てくれたのかな…保健室での千景くんの顔や言葉が浮かんできて、顔が熱い。


「中川〜。呼んでるー」
「はいー」

入り口には見たことのない男の子が立っていた。…誰?ってなって夏子を見る。

「体育科の矢野だわ。バスケ部…告白?」

夏子がそんなこと言い出すもんだから、周りもちょっとだけ騒ついた。

「とりあえず行ってくる」

みんなの視線を浴びながら、矢野くんとやらの元へ向かう。
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