はちみつの景色
「果乃、どうだったの?」
少し興奮気味の夏子。
「友達になってって「それで?」
「…友達になった」
そっかー。やるなー、矢野!と、ニヤニヤする夏子越しに千景くんが見える。
友達っていうけど、矢野くんの友達と、千景くんの友達は違う。わたしは誰とどうなりたいんだろう?
あれから何日かたったが、廊下で矢野くんとすれ違った時には挨拶をしてくれた。
無理に距離を詰めてこない矢野くんはとても優しい人だった。
でも、私が気になっているのはやっぱり千景くんで。なんでこんなにもやもやしているのか、自分でもわからない。
そんなことばっかり考えているから、授業もなかなか頭に入ってこない。