これからもずっとこの初恋を
樹は驚くほど料理が上手なんだ。
樹が料理上手なのは今一緒に親が住んでいなくて、自分で作るしかないからだと思う。
親が引っ越して来ていないのは家の事情だと樹は言っていた。
そしてペロリと食べ終わった私はふと近くにある時計を見た。
あ...れ?
「いつ...き?」
「なんだよ」
「学校が始まるのって7時45分くらいだよね?」
「おー、それがどうしたんだよ」
「だ、だよねー。いや、あの時計壊れてるなーって思って...。壊れてるよね?」
私が見ていた時計を樹も見る。
その時計は7時42分をさしていた。
「は?」
そう言って樹は自分の腕時計をみた。