これからもずっとこの初恋を
「めいっ!!」
「えっ!?!?」
名前を呼ばれて振り向こうとすると草むらの方へ引っ張られる。
ドサッ!!!
いててて……。
「もうどうしたの、樹。いきなり引っ張るから転んじゃったじゃ…」
「しっ…」
草むらの中から外に目を凝らしてみると1人のメイドさんがこちらへ歩いてきているのが見えた。
うわ、あ。
危なかった…。
あと少し隠れるのが遅かったら絶対見つかってた…。
「い…樹」
「…ん?」
「ありがとう、助けてくれて」
「当たり前」
そう言って樹は得意げに笑った。
っ…。
なんだろう、今胸の奥がきゅっとなった気がした。