罪作りな彼は求愛方法を間違えている
「離してよ」
引き抜こうとする手首をグッと握られて、逃げ出す事もできない私が視線を彷徨わせているうちに、彼は私を肩に担ぎ上げ、ペシっとお尻を叩いた。
「落ちたくなかったら、暴れるなよ」
「痛い」
「痛い?そんなもん、俺の絶望感に比べたらたいした痛みじゃない」
ペシッ、ペシッと数回叩かれた。
「地味に痛いって」
「悪い子には躾だ」
うううっ…コウ兄助けてよと、顔を見たが微笑まし気に笑っている。
さっき、この人に売られたんだった…
くそ…
「邪魔したな…それつけとけ」
「ほどほどにしないと、今度こそ逃げられるよ」
「あぁ、野良猫よりたちが悪い。逃げないように、首輪でもつけておくかな」
彼の肩でなんとか逃げれないだろうかと、無駄な足掻きをしていたら、ヨイショと担ぎ直され、お客さん用の出入り口から出で行こうとする。
「どこから入ってきたの?」
「あっ、裏口に決まってるだろ」
ガラの悪い口調に、驚かされる。
ペシッとまた叩かれ、同じところを何度も叩かれてはジンジンしてくる。
いい大人なのに、悪い事をした子供のお尻を叩かれてるようで、結構恥ずかしいくて落ち込むのだ。