罪作りな彼は求愛方法を間違えている
「エイヒレはやれないが、このおやつならまたやってもいい…千花には内緒だからな」
聞こえてるって…心の中で笑って突っ込んだ。
オスと男の会話が成立したのか、そらくんはおやつを食べ終わるとマガジンラックに行き、お尻を向けて隠れるように寝だした。
私はレンチンの終わった惣菜とエイヒレを持って高橋さんの横に座り、彼と一緒になってそらくんを見ていた。
ゆらゆらとマガジンラックを揺らして寝ているそらくんに、高橋さんは笑う。
「ハンモックみたいだな」
「でしょ…邪魔されたくない時とかに、そこで寝るんだ。私のベットの上もよく行くんだけど、狭いところが落ち着いて寝れるみたい」
「お前、…気を利かせれるなんて賢いな。今度来るときは、コンビニじゃなく、ペットショップで高いやつ買ってきてやるからな」
「やめてよ。ペットフード食べなくなったら困るんだからね。餌付けして何企んでるんだか?」
私に顔を向けた彼は、突然、熱を孕んだ瞳を向けてきた。
思わず、ジリリと横座りのまま移動してしまうが、逃げられる距離なんてたかが知れていて、彼が手を伸ばせば届く距離でしかない。
「なに、逃げてるんだよ」