罪作りな彼は求愛方法を間違えている
そして、私を横抱きのまま立ち上がろうと体が揺れ、咄嗟に彼の首にしがみついた私から、そらくんは飛び降りていく。
「そのままじっとしてろよ」
アワアワしているうちに立ち上がり、ヨイショと立ち上がった彼が向かった先は寝室だった。
「えっ、と、なぜに寝室に行くのか聞いてもいい?」
「そらに邪魔されたくないからな」
その言葉が、何を意味するのかわからない訳じゃないが、このまま流されていいのか考えてしまう。
寝室に入る前に高橋さんは後ろを振り返り、キョトンとこちらを見ているそらくんを見下ろし、意地の悪い顔をしてドアを閉めた。
ベッドに私を下ろした彼は、片膝をベッドに乗せて迫ってくるので、ズリズリと後ろに下がって行くが、すぐに壁にぶつかり逃げ場を失っていて、その時にはもう、彼は完全にベッドの上に両膝をついて上がり、私を囲いこむように壁に両手をつき逃げ場を塞いでから意地悪く言った。
「撃退しないなら、キスしちゃうぞ」
「…ゥ」
いつもと違う口調で口の片端をあげる彼が、とても色艶く見惚れて息を呑みこんだ。途端、甘ったるく、そして艶めかしく音を立てたキスを何度も仕掛けられて、受け止めるのでいっぱいいっぱいでいたら、突然キスが止んだ。