ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
「リラは病弱なのか?」

腕にしっかりとリラを抱いたレオンは、私を横目で見ながら言う。

「少し前からよく熱を出すようになったんです。以前は風邪一つ引かなくていつでも元気いっぱいだったのに……」

だからこそ今の状況が信じられない。

「そうか……とにかく医者に診てもらおう」

レオンは足早に私が示した方向に急ぎ進んで行く。

それからは特に会話もなく、お互いの息遣いだけを感じていた。


診療時間より大分前だったけれど、先生は診療所のドアを開けてくれた。

町で唯一の医師であるターナー先生は、二十年以上この診療所で患者の治療をして来ていおり、この町の住人たちをとても大切にしていてる。

私はリラが体調を崩したとき初めてお世話になった。それ以来かかりつけ医として相談に乗って貰っている。

先生はレオンを訝し気に見てはいたけれど、私の態度から身内に近い存在だと判断したのか特に何かを言われることはなかった。

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