ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
「ターナー先生こんな早くにすみません、リラの様子がおかしくて……今までにない症状なんです」

先生はリラの額に目を向けると僅かに顔をしかめた。

それから診療所内のベッドに寝かすように言うと、私とレオンに診察室から出ているように告げた。

ただ待つだけの時間は辛い。

もし深刻な病気だったらどうしよう……ここ最近ずっと体調を体調は悪かったけれど、あんなに
鮮やかな斑点が出来たのは初めてだった。素人目にもただ事じゃないと感じる。

リラに何かあったら……考えると体が震えて来る。

そのとき震える指が、大きな手に包み込まれた。

レオンが気遣うような目を向けて来ている。

「大丈夫だ、俺がついている」

彼の言葉には力があると感じた。これまで培った力から来る自信と、何者にも脅かされない絶対的な地位から来るものかもしれない。

皇帝になった彼は私にとって近寄りがたい別世界の人になっていた。けれど今はとても心強い。

何も考えられず彼に頼りたくなる。

そんな私の様子に気付いたのか、躊躇いがちではあるけれど、彼の手が背中に回って来た。

「大丈夫……何が有ってもイリスとリラは俺が守るから」

力強い声。いくらレオンでも病気が相手ではどうしようもないはず。それなのに私は彼の言葉を信じたくなる。

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