ママと秘密の赤ちゃんは、冷徹皇帝に溺愛されています
「先生、紹介状をお願いします」

そうお願いすると、先生は直ぐに用意をしてくれた。

「リラちゃんの症状を書き記している。これを持っていきなさい。転院先の病院には私の後輩がいるからしっかり診てくれるだろう」

「ありがとうございます!」

先生の知人がいるのは心強い。ほっとしながら紹介状に記載された文字を目で追う。

その瞬間、私は目を見開いた。

宛先にラヴァンディエの文字が有ったのだ。

「あの……先生、この病院はティオールの王都ではなくラヴァンディエ帝国にあるのですか?」

私の言葉にレオンが僅かに反応する。

「ああ。ラヴァンディエ帝国の医学はこのティオール国より格段進んでいる。リラちゃんの治療も安心して任せられるはずだ」

「そ、そうなんですか? でも……」

歯切れ悪い私に、先生が怪訝そうにする。

「どうしたんだね?」

「いえ……何でもありません。先生、紹介状ありがとうございます」

ラヴァンディエ帝国にリラを連れて行くのは抵抗がある。不安が大きく行きたくない気持ちが強い。

でも今はそんなことを言っている場合じゃない。

一番大切なのはリラの健やかな幸せなのだから。

私たちは紹介状を受け取り、先生にお礼をして診療所を後にした。

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