その瞳に私を写して
「朝からその話?」

「朝だから、するんでしょ。」


恋人だったらここで、がんばってねと励ましたりするんだろうが、二人は恋人ではない。

「実は、どこの景色がいいのか分からなくて、まだ撮れてないんですよね~。」

「セントラルパークにでも、行けば?」

「セントラルパーク?」

「明日休みだから、一緒に行ってあげるよ。」


恋人の、好きとかじゃない。

家族の、情でもない。

友達の、協力でもない。


でも、何かしてあげたい。

そう思わせるのは、可愛い年下の男の子だからなのか。

勇平の、生まれ持っての性格なのか。

麻奈は勇平を見ながら、コーヒーを飲んだ。


翌日。

二人は近くにある、セントラルパークに足を運んだ。

「すっげ~、セントラルパーク!」

勇平は歩きながら、シャッターを切りまくる。

「あんまり遠くに、行かないでよ~。」

「心配しないで下さい。」

シャッターを切っている勇平を見てると、なかなか腕は良さそうだ。
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