お嬢様。この私が、“悪役令嬢”にして差し上げます。
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「いいですか、お嬢様。舞踏会は、お付きの執事とペアになって一曲ごと踊る流れです。ステップを踏んでいる間、王子だけではなく他の令嬢からも見られていることを忘れないようにして下さいね。出来る限り、私もフォローしますから。」
「えぇ、わかったわ…!」
城のロータリーに到着し、馬車の扉を開けるアレン。
エスコートされるがままに降り立つと、緊張感が高まった。
(ついに、始まるのね。お嬢様同士のマウント合戦が…!)
すると、隣を歩くアレンが、わずかに背をかがめて囁いた。
「恐らく、私の調べでは、資産家ランダースのご令嬢シェリンダ様が今回の舞踏会での要注意人物でしょう。」
「シェリンダ…?」
アレン曰く、シェリンダは高貴な家柄な上に、気が強くてプライドもエベレスト級に高いお嬢様らしい。裏では、今までヴィクトル王子に近づこうとした女性を、悪知恵でことごとく追い払ったという噂もある。
それに、根っからのお嬢様である彼女は、幼い頃からダンスの英才教育を受けているようだ。
つまり、以前相手にした下っ端意地悪令嬢より、はるかに強敵ということである。