潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
「香純…」
名前を呼ばれて彼のことを見つめ直す。
尚行さんは眉尻を少し下げ、寂しそうな笑みを浮かべた。
「香純は、俺と別れたいから、この部屋へ呼んだのか?」
訊ねる彼はとても真面目そうで、その言葉に私は首を縦にも振れず、かと言って、横にも触れなくて俯いた。
自分にはただ、自信がないところもあるんだ…と彼には知っておいて欲しかったから部屋へ招いた。
オフィスではどんなに懸命に仕事がこなせても、部屋に帰れば欠陥だらけで、何も出来ない女子なんだ、と知らせておく方がいいと考えたからだ。
こんな自分だから、別れを切り出されても仕様がない…と諦め半分だった。
ただ、元彼のように嘘を吐かれて、嫌な思いをすることがないだけマシだ…と思いたかった。
だけど__
(それ以上に、それでもいい…と彼に言って欲しかったのも事実)
何処を見てそんな言葉を期待する?
余りにも都合が良すぎるもんだから、私は何も言えずに押し黙った。
ハッキリと口にすることが出来なかった。
彼に別れを切り出すことも、それでもいい…と彼から承諾を得ることも願えなかった。
名前を呼ばれて彼のことを見つめ直す。
尚行さんは眉尻を少し下げ、寂しそうな笑みを浮かべた。
「香純は、俺と別れたいから、この部屋へ呼んだのか?」
訊ねる彼はとても真面目そうで、その言葉に私は首を縦にも振れず、かと言って、横にも触れなくて俯いた。
自分にはただ、自信がないところもあるんだ…と彼には知っておいて欲しかったから部屋へ招いた。
オフィスではどんなに懸命に仕事がこなせても、部屋に帰れば欠陥だらけで、何も出来ない女子なんだ、と知らせておく方がいいと考えたからだ。
こんな自分だから、別れを切り出されても仕様がない…と諦め半分だった。
ただ、元彼のように嘘を吐かれて、嫌な思いをすることがないだけマシだ…と思いたかった。
だけど__
(それ以上に、それでもいい…と彼に言って欲しかったのも事実)
何処を見てそんな言葉を期待する?
余りにも都合が良すぎるもんだから、私は何も言えずに押し黙った。
ハッキリと口にすることが出来なかった。
彼に別れを切り出すことも、それでもいい…と彼から承諾を得ることも願えなかった。