潜入恋愛 ~研修社員は副社長!?~
離れて暮らしてはいるけど…と言いながらスプーンを手にする彼女。
そのまま『パパとなかよく』と記されたオムライスに手を付け、もぐっと噛みしめて味わった。


「……これだけは毎年何も変わらないわね」


若干目頭が熱くなってるように見える母。
香純の父はそれを見ると自分のオムライスにも手を伸ばし、『ママをおねがい』と書かれた端っこの部分を口にした。


俺達二人はそんな両親の様子を見つめ、お互いの目線を絡ませ合い、ふっと微笑んでから自分達の分を口に運ぶ。


俺の頭の中では、食べた瞬間に香純がオフィスのホームページに入力していた言葉が浮かび、成る程…と実感しながら父の日のランチを食べ終えた。


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