はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
「目標が出来たら、勉強もがんばれたし、いいきっかけだったよね。ほら、明日に備えて早く寝なさいよ」

「うん」


母は私の肩を軽く叩いて、出ていく。母はいつも応援してくれていて、就職が決まったときは手を叩いて喜んでくれた。

あ……支配人がこの人だったと言いそびれてしまった。アルバムから写真を取り出し、手帳に挟む。

話す機会があるかは分からないが、話せたら写真を見せたい。

朝起きたときは、社会人スタートに心を弾ませたが、支配人と話すことを願って、別の意味で心を弾ませて眠りにつく。


「おはようございます」と昨日と同じ会議室に入り、空いている席に座る。集合時間よりも30分早く着いたからか、まだ数名しか来ていなかった。

今日から1か月、研修期間となる。昨日のオリエンテーションでもらったスケジュール表をテーブルに置いて、もう一度目を通す。

午後からは振り分けられた部門に行くことになっている。そこで1週間の実践研修を行う予定だ。


「藍果、早いね」

「彩音、おはよう。なんか浮かれちゃって、早く着いたの」

「え? 藍果って、真面目そうに見えるから浮かれるのが想像できないんだけど、もしかして今も浮かれてる?」
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