はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
「うん」と私は口角をあげる。


彩音は嬉しそうに笑って、私の隣に腰を下ろした。

あまり表情が顔に出ないねと前々から言われることが多かった。嫌な気持ちが出ないのはいいことかなと思ってはいるが、嬉しい気持ちは出すようにしようと自分なりに努めている。

だから、今は浮かれているとちょっと笑った。分かりにくいかもしれないけど、昨夜から浮かれているのだ。

彩音とはまだ出会ったばかりだけど、彩音の親しみやすい雰囲気のおかげでいろんな話が出来、お互い下の名前で呼び合う仲になった。

今までの人生で一番早いスピードで友だちと呼べる仲となったのは彩音だろう。

午前中の研修最後に人事部の人が午後からの配属先を発表する。

私は彩音と一緒にフロント部門になった。彩音と同じグループになったことを喜ぶ。


「でも、いきなりフロントは緊張するよね」

「うん。でも、彩音は慣れているんじゃないの?」

「そんなことないよ。うちはお気楽なペンションだから、こういう落ち着いたところとは全然違う」


彩音の実家は沖縄の離島でペンション経営をしていると昨日聞いた。
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