はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
今度はとんでもない要求だ。玲司さんは私の反応を絶対おもしろがっている。

楽しそうに笑う玲司さんに連れられて、予約してくれていたレストランに入る。白い洋館のようなレストランに私は感動の声をあげてしまった。

こんなに素敵なレストランでの食事は初めてだ。玲司さんは何度か来たことがあるようで、「ご無沙汰してます」と言っていた。

やっぱり住む世界が違う実感してしまうが、これが日常とはまではなりたくないが、慣れるようにしなくてはと思う。


「今日は特別な日だから」

「えっ? ああ、そうですよね。こういうところは特別な時に来るものですよね。頻繁に来ているのかと思ってしまいました」

「んー、もっと気楽に入れるとこに行くこともあるけど、外では良いものを食べることが多いかな」

「良いものとは高いものですか?」

「ストレートな質問だね。うん、やっぱり良いものはそれなりの値段はするね。でも、うちのホテルでも出せるかなと参考になるよ」


なるほどと頷いた。さすが常にホテルのことを考えているだけある。ただ食事を楽しむだけではない。


「って、こんな男、面倒だよね」

「はい? どうして?」
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