はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
「すみません、今じゃなくて、今度でいいので、お話する時間が欲しいんです」

「あー、そうだな。木曜日の夜なら空いてるよ」

「分かりました。何時に支配人室に行けばいいですか?」

「えっ、支配人室? いや、夜なんだから食事しながら話をしたらいいかなと思ったんだけど、やっぱりおじさんと食事は嫌かな?」


私の返答が予想外だったのか支配人は慌てた感じで食事と言った。私たちの話は噛み合っていなく、私も予想外の返答に「はあ?」と呆けた声を出してしまう。

忙しそうだから、時間が空いたときに支配人室で話をさせてもらえれば充分と思っていた。それなのに、食事と言われて、頭がついていかない。

たけど、おじさんとだから嫌かとまだ『おじさん』を気にしている支配人にちゃんと言わないと。


「いえ、食事をする時間までいただけるとは思っていなかったので、びっくりしました。おじさんだから嫌なんて、本当に思っていないですから。むしろ、支配人と食事が出来るなんて光栄で嬉しいです」
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