はずむ恋~見つめて、触れて、ときめく~
明日の夜、誘われたことを伝えると彩音は案の定驚いた顔をした。


「どういうつもりで誘われたのか聞いたら?」

「えー、そんなこと聞けないよ」

「だって、あの支配人がプライベートで誘うんでしょ? どんなつもりなのか気にならない?」

「それはなるけど……」


支配人から誘われての食事は二回目。前回は私が話をしたいと言って、それに応じてくれての食事だったけど、今回は違う。

彩音がどういうつもりなのかと疑問に思うように私も疑問だった。

だからといって、簡単には聞けないものだ。


翌日、定時時間を一分過ぎたのを確認して、パソコンをシャットダウンさせた。

「お先に失礼します」

「はーい、お疲れ様」

残業する先輩社員が多い中で、早々と帰るのは申し訳ない気持ちになる。私の教育係である五年先輩の徳田さんが「今のうちしか早く帰れないから帰れる時は帰ってね」と言ってくれたので、その言葉に甘えた。

来月はブライダルが忙しくなり、時間外労働が増えるという。他の社員も今は残業少なめにしているそうで、七時にはほとんどが退社しているとも教えてくれた。
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