きらきら光る
「…陽咲……。ごめん。…俺、約束破るわ…。」
「いやだ!死なないで!そばにいて!行かないで!」

「陽咲…。陽咲のせいじゃないからな。…これって、運命なんだよ。ありきたりだけど…運命だよ。」
「いやだ!!いや~!」

「俺は、陽咲と出会えてよかった。陽咲と過ごせて…陽咲を愛して…愛されて…幸せだった。」
「いかないで…そばにいてよ…置いていかないで…」

「陽咲、愛してる。陽咲は神様から俺への贈り物だったんだよ。陽咲の背中には真っ白な羽が見える。」
「啓吾…。」

「紅色の空を見たら俺を思い出せ。俺が陽咲の幸せを願って…陽咲の幸せを守って…陽咲を応援して…陽咲を…想ってるから。」
啓吾はとても穏やかに微笑みながら旅立った。
最後に「愛してる」と目を閉じながら囁いた啓吾の瞳からは一筋の涙が流れた。
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