刺激を求めていたオレが念願の異世界転生を果たすも、そこはラスボス手前のセーブポイントだった件
オレがピラミッド型の結界を展開した頃、視界の奥ではアレックスとミーアがカミーラに迫っていたのが見えた。
「うおおお!「チャージ・ブレイドォ」!!」
上段の構えから渾身の力を込めて振り下ろされる大剣は、本来ならばありえないほどの速度でもって空間を切り裂く様にカミーラを襲う。不意にこめかみに矢を受けたカミーラは感覚がマヒしているのか、回避する素振りを一切見せていない。
アレックス渾身の一振りが、カミーラを捉えた!そう思った瞬間、紙一重のところで刃は止まった。カミーラに動きはない。動揺するアレックスが小さな声で何かをつぶやいていた。
「くそ、なんだこれは、剣が動かない・・・・・・」
ティケルヘリアとノブレスを閉じ込めた結界が破られるまで残り2秒弱。ミネルヴァお姉さまの大魔法はまだ時間がかかりそうだ。イスカは回復魔法の準備をしているようだし、つまりここは後少しオレが踏ん張らなくてはいけないということだ。
インデックス、今使用できるスキルを全て教えてくれ。
『心得た』 そう言うと、頭の中に数種類のスキルの特性と、発動の仕方が頭の中に流れ込んできた。ふむ、なかなか面白そうなスキルが揃っているんだなソリッド・アーチャーは。
追撃の為に弓を構えた。限界を迎えた光の結界に亀裂が入り、瞬く間に亀裂は結界全域にまで広がっていく。狙うは最初に結界に亀裂が入った部分、おそらくその近くにやつらはいるはずだ。完全に結界が破られ飛散した光の壁が瞬きながら光の粒に戻り消えていった。
「くらえ、「ツイスト・ーー!!」
結界が破られた瞬間、すでに準備していたスキルを発動しようとした一瞬の間に、ティケルヘリアとノブレスのいる場所に何か影が入り込んだ。予定外のことにオレは手を止めた。
「ーー油断、イケナイ」
ノブレスの背後に回り込み、その首下に小刀の切っ先を向けていたのは、この空間に入った瞬間から姿の見えなくなったアサシンだった。
「ノブレス様!!」
そのことに気付いたティケルヘリアが、ノブレスを拘束しているアサシンに向かっていく。
「させない、「ツイスト・ショット」!!」
強烈な回転をかけ貫通力を上昇させた矢が、ノブレスの元へと向かうティケルヘリアをとらえた。
「雑魚がこざかしい」
左方から襲い掛かる矢に気付いたティケルヘリアは、空中で身を翻し向かってくる矢を正面にとらえると手を振り払い矢を消滅させる。
「ティ・・・ック・・・・」
その一瞬の隙をついてアサシンはノブレスの喉を掻き切っていた。ティケルヘリアに手を伸ばすノブレスだったが、アサシンが後ろで掴んでいた腕を離すと力なく崩れていく。長い髪がなびきながら、先に落ちた身体を追いかけるようにふわりと沈んだ。
「ノブレス様!!ノブレス様ぁぁぁあ!!」
ティケルヘリアは気が動転しているのか、武器を構えるアサシンの目の前でノブレスの身体を抱き起し咆哮する。その光景を見ていたオレは「あっけなさすぎるだろ・・・・・・」 と、口に出していた。
確かに作戦は問題なく機能しているし、アサシンの追撃のタイミングも完璧と言って良いものだった。でも、あまりに上手く事が運び過ぎている。
「ノブレス様ぁ!あああああああっ!!」
「五月蠅いナ・・・君もすぐに送ってアゲルヨ」
楽観的に考えるなら、前回はこちらにとって不測の事態が重なったことで成す術もなく全滅を喫した。今回の様に順調にいけば実力では魔人を圧倒していた?
「いや、悪い予感しかしない!!インデックス、ノブレスは死んだのか!?」
そう口に出した時、背後に気配がした。視界の端で艶やかな黒髪が揺れて背後に消えていく。
「ふふふ、面白いことを仰るのですね、あなた」
「は?--え、なんで?」
後ろから誰かが抱き着いている?幼い白い肌、両手がオレの腰にしっかりと回されていて動くことができない。目の前で倒れていたはずのノブレスの姿はティケルヘリアの腕の中にはなく、ティケルヘリアは口元を歪めて笑っていた。
「何が起こった!?!貴様だけでも殺ス!!」
背後から刃を振り下ろすアサシン。刹那、何かがアサシンを貫いた。
「貴様、自分の身体を・・・・・・」
ティケルヘリアは自分の腕で、胸元を貫き、背後にいるアサシンを攻撃していた。変形した腕は刃の様に鋭くとがり伸びていて、力尽きたアサシンの身体を宙に浮かせている。
ティケルヘリアは手を収縮して元の形に戻すと立ち上がった。アサシンの身体が地面に落ちて鈍い音が響く。ティケルヘリアの胸から背にかけて穴が開いていて、おびただしい出血にも関わらず平然としている。そして、口から垂れた血を手で拭きとり恍惚な表情でねぶる。
「うおおお!「チャージ・ブレイドォ」!!」
上段の構えから渾身の力を込めて振り下ろされる大剣は、本来ならばありえないほどの速度でもって空間を切り裂く様にカミーラを襲う。不意にこめかみに矢を受けたカミーラは感覚がマヒしているのか、回避する素振りを一切見せていない。
アレックス渾身の一振りが、カミーラを捉えた!そう思った瞬間、紙一重のところで刃は止まった。カミーラに動きはない。動揺するアレックスが小さな声で何かをつぶやいていた。
「くそ、なんだこれは、剣が動かない・・・・・・」
ティケルヘリアとノブレスを閉じ込めた結界が破られるまで残り2秒弱。ミネルヴァお姉さまの大魔法はまだ時間がかかりそうだ。イスカは回復魔法の準備をしているようだし、つまりここは後少しオレが踏ん張らなくてはいけないということだ。
インデックス、今使用できるスキルを全て教えてくれ。
『心得た』 そう言うと、頭の中に数種類のスキルの特性と、発動の仕方が頭の中に流れ込んできた。ふむ、なかなか面白そうなスキルが揃っているんだなソリッド・アーチャーは。
追撃の為に弓を構えた。限界を迎えた光の結界に亀裂が入り、瞬く間に亀裂は結界全域にまで広がっていく。狙うは最初に結界に亀裂が入った部分、おそらくその近くにやつらはいるはずだ。完全に結界が破られ飛散した光の壁が瞬きながら光の粒に戻り消えていった。
「くらえ、「ツイスト・ーー!!」
結界が破られた瞬間、すでに準備していたスキルを発動しようとした一瞬の間に、ティケルヘリアとノブレスのいる場所に何か影が入り込んだ。予定外のことにオレは手を止めた。
「ーー油断、イケナイ」
ノブレスの背後に回り込み、その首下に小刀の切っ先を向けていたのは、この空間に入った瞬間から姿の見えなくなったアサシンだった。
「ノブレス様!!」
そのことに気付いたティケルヘリアが、ノブレスを拘束しているアサシンに向かっていく。
「させない、「ツイスト・ショット」!!」
強烈な回転をかけ貫通力を上昇させた矢が、ノブレスの元へと向かうティケルヘリアをとらえた。
「雑魚がこざかしい」
左方から襲い掛かる矢に気付いたティケルヘリアは、空中で身を翻し向かってくる矢を正面にとらえると手を振り払い矢を消滅させる。
「ティ・・・ック・・・・」
その一瞬の隙をついてアサシンはノブレスの喉を掻き切っていた。ティケルヘリアに手を伸ばすノブレスだったが、アサシンが後ろで掴んでいた腕を離すと力なく崩れていく。長い髪がなびきながら、先に落ちた身体を追いかけるようにふわりと沈んだ。
「ノブレス様!!ノブレス様ぁぁぁあ!!」
ティケルヘリアは気が動転しているのか、武器を構えるアサシンの目の前でノブレスの身体を抱き起し咆哮する。その光景を見ていたオレは「あっけなさすぎるだろ・・・・・・」 と、口に出していた。
確かに作戦は問題なく機能しているし、アサシンの追撃のタイミングも完璧と言って良いものだった。でも、あまりに上手く事が運び過ぎている。
「ノブレス様ぁ!あああああああっ!!」
「五月蠅いナ・・・君もすぐに送ってアゲルヨ」
楽観的に考えるなら、前回はこちらにとって不測の事態が重なったことで成す術もなく全滅を喫した。今回の様に順調にいけば実力では魔人を圧倒していた?
「いや、悪い予感しかしない!!インデックス、ノブレスは死んだのか!?」
そう口に出した時、背後に気配がした。視界の端で艶やかな黒髪が揺れて背後に消えていく。
「ふふふ、面白いことを仰るのですね、あなた」
「は?--え、なんで?」
後ろから誰かが抱き着いている?幼い白い肌、両手がオレの腰にしっかりと回されていて動くことができない。目の前で倒れていたはずのノブレスの姿はティケルヘリアの腕の中にはなく、ティケルヘリアは口元を歪めて笑っていた。
「何が起こった!?!貴様だけでも殺ス!!」
背後から刃を振り下ろすアサシン。刹那、何かがアサシンを貫いた。
「貴様、自分の身体を・・・・・・」
ティケルヘリアは自分の腕で、胸元を貫き、背後にいるアサシンを攻撃していた。変形した腕は刃の様に鋭くとがり伸びていて、力尽きたアサシンの身体を宙に浮かせている。
ティケルヘリアは手を収縮して元の形に戻すと立ち上がった。アサシンの身体が地面に落ちて鈍い音が響く。ティケルヘリアの胸から背にかけて穴が開いていて、おびただしい出血にも関わらず平然としている。そして、口から垂れた血を手で拭きとり恍惚な表情でねぶる。