あかいろのしずく

ユズキはそれに納得できないのか、首を傾げた。それから私とは反対に、「たぶんナナカの方が辛いよ」と言った。



今思えば、私達はお互いの辛さを知らないから、自分の方が辛いと主張することができなかったんだ。辛さの重みをを測りあうこともできなかった。





――――今は?






出口は目の前にあるのに出る方法がない。

出る方法は思いつくのに出口が見つからない。




言い換えてみると、




二階には窓があるけれど、降りるためのロープがどこにもない。

ロープも梯子も降りるためのものはあるのに、肝心の窓が見つからない。




今の状態は前者だ。
が、どちらにしろ苦しむことは容易に想像できる。


では、一体、どちらが辛いのだろう?
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