あかいろのしずく

私は考えた。迷った。
それで最終的に、少しだけ、前者の方がいいのではと思った。


まだ出口がある今の方が、希望がある気がして。












いつの間にか眠っていた私。

目が覚めて辺りを見渡せば、サキ以外の全員が同じように目を閉じていた。



サキはというと、前まで何かを呟いていたのに、今では静かに前を見つめていた。今なら話が通じるかもしれない。そう思った。



トイレに行こうと部屋のドアを開ける。廊下には当たり前のように先生がいた。
先生はまた、本を読んでいた。



本にはカバーがついていて、何を読んでいるかは分からないけれど。




「読書、好きなんですか?」
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