あかいろのしずく
「なに?」
「自殺した生徒の話です」
これはまたストレートに聞くもんだ。
ショウトは続ける。
「先輩達が最初に言ってたことです。自殺した原因。噂の段階ですら知らないから、教えてくれませんか?」
今まで色々忙しかったし、聞くタイミングも掴めなかったんですよね。と、ショウトは言う。
確かに、あの時ショウトは知らないと言ったっけ。
話すのは少し抵抗があるけど、聞かれたのだから仕方がない。
私はショウトの問いに答える。
「DVよ。付き合っていた先輩から暴力を受けていたの」
「え......」
「それに耐えられなくなって自殺した、って」
ショウトは黙っていた。
とてもじゃないが気分の良くなる話じゃない。
それは私も重々承知して話したことだった。