あかいろのしずく
そして、ショウトは何を思ったのかこんなことを呟く。



「辛いですよね。好きな人から暴力なんて......」

「そうだね......」

「ナナカ先輩、同じ学年だったんですよね?」



私を見る目は、どうして助けられなかった、と言いたげな目をしていた。胸が痛んだ。





分かるよ。

だって、一年の時も一緒のクラスだったもの。

けどね、もうその終わりの頃から始まっていたんだ。男の子と付き合うって、なかなか簡単にはできないことでしょう?

だから特別扱いだとか、嫉妬だとか悔しさで、女子は誰も口を利かなかった。


私は純と話した。何回か話して、ああ、この子は普通なんだって思った。
彼氏がいてもいなくても変わらない。どこに避ける理由があるの、って思った。



けれど結局、私も周りに流されてしまったんだ。
< 408 / 754 >

この作品をシェア

pagetop