あかいろのしずく

なにゆえ私が。

バッ、とアズマを見上げると、なにやら不機嫌そうな顔をしていた。マズい。キレると危ないタイプかも。



「すみませんすぐに去ります」




速足でドア部屋を出ると、私はドアの隣の壁にもたれてはあ、と息をつく。
なんだよ、私のドキドキを返せ。



アズマってどこか変だよな。女子に対する態度がなってない。

まあ、私の読んできた少女漫画が問題か。そういう王子様みたいなイメージが、理想の男子像を勝手に作り出しているのかもしれないけど。


......。ええい、こうなったら仕返しじゃ。
盗み聞きしてやる!



そんなこんなでドアに耳をくっつけて、私は二人の会話をこっそり聞くことに。
が、声が小さいせいで聞き取りにくい。やっと聞こえてきたかと思うと、先生の声だった。





「薬の効果ももう切れているでしょう。今後どうするつもりですか?」





薬......?
 
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