あかいろのしずく
「......知るか。なんとかするんだよ」
「みんな君が頼りなのに」
その後も会話は続いたようだったけど、はっきりと聞き取れたのはそれだけ。
私はドアから離れて、アズマ達が出てくるのを待っていた。
少ししてドアが開くと、そこには確かにいつものアズマがいて。
「戻ってなかったのか」
不機嫌そうなのも変わらない。いつも通りのはず。
「どこか悪いの?」
「悪くない」
「薬って言ってた」
「ドラッグの方な」
「え!? ジャンキーだったの!?」
「......そうだよ」
それなら確かにクスリが切れるとマズい。
そしてさらに言えば、高校生が麻薬に手を出している時点でマズい。