あかいろのしずく
「ショウちゃん厳しいねんて」
「常識だよ!」
珍しくツッコミもキレッキレのショウト。
それに今まで敬語だったからか、どこか新鮮である。
けど、仲いいんだな。サユリさんもそう思ったらしく、「仲いいんだね」と我が子を見つめるような優しい目で二人を見る。
「「幼なじみなんで!!」」
サキとショウトが声を合わせてサユリさんに迫る。
ぎょっとしたサユリさんは言葉を失って固まっていた。
近くにいたアズマに聞いてみる。
「そういうこと?」
「そういうことだろ」
そうかそうか、二人はそういう関係なのか。
「ナナカ先輩なに笑ってるんですか」
「あ、ごめん」
これからが楽しみだな、うん!
私が「なんでもないよ」と返すと、ショウトは怪訝そうな顔をしてじろじろとこちらを見てきた。