あかいろのしずく
その日の夜、私はなんだか眠れなくて、起きていたサキとアズマと、少し話をした。
その頃には先生もどこかの部屋に戻り、私達が嘘をついて振る舞うこともなくなっていた。脱出のことは、いつもの声よりは小さい調子で話していた。
「決行は明後日の夜中ですか?」
「うん、二時だったと思う」
「ちゃんと覚えとけよ」
「「......すみません」」
なんか、アズマってたまに怖い時あるな。
そう思いながらアズマを見ると、「なんだ」とでも言いたげな目で払われた。なんでもないです。
ふと、サキに気になったことを聞いてみる。
「サキちゃん」
「なんです?」
ちょっと失礼かもしれないけれど。