あかいろのしずく

お腹を抱えて泣くフリ。
まあ暗いから見えていないし、涙までは再現しなくていいだろう。



ちょっとわざとらしいかもだけど、不安を煽るように「痛い」って言ってた方が
効果は大きい。先生は見事に騙されていた。



アズマが言う。



「薬は?」

「原因が分からない以上なにも言えません」



先生、結構ガード固い。


アズマは薬のある場所に案内してもらって大部屋から離れるって言ってたけど、これでなんとかなるか? まずはこの部屋から出ないと。


と、最初私とアズマは緊張していて、先生は最初戸惑っていた。けど、そのうち先生は冷静になった。少し考えた後、「隣の個室を使ってください」と言った。

そして、とりあえず薬があったか分からないから、温かいお茶でも入れようという話になった。女子に対する扱いは素晴らしいですね、先生は。


アズマも是非見習ってくれ。


先生は、屋根裏部屋からカイロをいくつか持ってきてくれた。
それを貰って個室に向かう、私とアズマと先生。
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