あかいろのしずく

「私達には勝ち目がなかったから」

「ここまで追い詰められるとは思いませんでしたけどね」





そもそも大人と子供という時点で不利だったのだ。


こちら側には特別に頭のいい誰かがいるわけでもない。それどころかサキは最初まともに喋れなかったし、ショウトは陰で脅されて苦しんでいた。

一度目の脱出も失敗した。常に監視の目があって自由もなかった。


どんどん状況も悪くなって。だからこそ選んだ道だ。
何が悪い? 



私は先生を睨んだ。
するとそこで後方の部屋の扉が開き、サユリさんが顔を出す。




「二人は......!?」




珍しく険しい顔をしたサユリさんに、私は目を見開いた。さっきの銃声で驚いたのだろう。ショウトとサキも、続いて部屋から出てきた。


先生は全員の姿を確認すると、銃を下ろした。

サユリさんは私と目が合うと、ホッとしたように肩を下ろす。
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