あかいろのしずく
「彼女は良いぞ。テスト前とか勉強、応援してくれるもんな。可愛いし、一緒にいるとすごい楽しいしさ。あー、幸せ!って思う」
「のろけ?」
「バレたか」
ミナトはいたずらっぽく舌を出した。
確かに学年が違えば、受験の直前なんかに応援してくれそうだ。一緒にいると楽しいんだろうか。そうだったら悪いものでもなさそうだけれど。
まつ毛と水色を映したミナトの目が、どこか遠くをぼんやりと見つめている気がした。
「なんかあった?」
「別に」
ミナトは本当に何もないように振る舞った。
それから「今日はやけに心配してくれんのね」と、おかしそうに俺を笑った。
なんでだろ。こんなに心配しなくていいのにな。
「疲れてんのかも」と、俺は呟く。
横を見ればミナトは、魂でも抜かれて空っぽになったみたいな無表情で、まだ空を見上げていた。