あかいろのしずく











二学期を過ぎて秋が来た。
俺はそこで初めて、信じられない噂を耳にした。






――ミナトが純にDVをしている。






その頃には俺でも分かるほど、明らかに周りから距離を置かれていたミナト。それまでどうしてか本人に尋ねても、誤魔化して答えてくれなかった。



てっきり周りと喧嘩したとか、ちょっとした揉め事があったとか、そういうものだとばかり思っていた。



一ミリもかすっていない事実に驚いて、俺はその日の休み時間にミナトに問い質した。



「ミナト、お前あの子に暴力振ってるのか?」

「......。どうかな」

「はっきり答えろよ」



声が震えた。
< 504 / 754 >

この作品をシェア

pagetop