あかいろのしずく
二学期を過ぎて秋が来た。
俺はそこで初めて、信じられない噂を耳にした。
――ミナトが純にDVをしている。
その頃には俺でも分かるほど、明らかに周りから距離を置かれていたミナト。それまでどうしてか本人に尋ねても、誤魔化して答えてくれなかった。
てっきり周りと喧嘩したとか、ちょっとした揉め事があったとか、そういうものだとばかり思っていた。
一ミリもかすっていない事実に驚いて、俺はその日の休み時間にミナトに問い質した。
「ミナト、お前あの子に暴力振ってるのか?」
「......。どうかな」
「はっきり答えろよ」
声が震えた。