あかいろのしずく
正直、これで嘘をついて「してない」と言ってくれても良かった気がした。



それほど衝撃的な噂だった。

それも俺達が二年の三学期からだというから余計にだ。今まで隠してきたなんて、そんなの信じたくなかった。だってお前、あんなに幸せだって言ってたじゃないか。





ミナトはいつまで経っても黙っていた。
チャイムが鳴る。俺は耐えられなくなって、声を上げた。




「噂なんだろ、やってないんだろ!?」



席に着こうとしていたクラスメイトが一斉にこちらを向いた。教室の中は一瞬静まり返って、次にざわついた。ミナトはまだ黙って俯いていた。


それから少しして、ミナトは顔を上げた。目が潤んでいた。
やってない、そう言ってくれ。心から願った。
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